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世界初!皮膚の上でフィルムになる、機能性成分のカプセル化技術(PGP) -擦っても取れない! 紫外線防御能などの様々な効果が長持ち 天然由来成分を使用-

世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェローム・ブリュア)は、皮膚の上に塗られた化粧品がフィルム状になって、より効果的に紫外線防御などの機能が長続きする、機能性成分の新カプセル化技術 "Polyion-complex Gel Particles (PGP)"を開発しました。本技術は、日本化学会主催「第9回CSJ化学フェスタ2019」および、国際コロイド・界面学会「OKINAWA COLLOIDS 2019:An International Conference on Colloid & Surface Science」にて発表されました。この技術を用いることで、油(紫外線吸収剤)などの機能性成分をフィルム中に均一に閉じ込めることができるため、例えば、擦っても紫外線防御能が低下しないサンケア製品の開発が可能となります。
● PGP技術の説明
日本ロレアルリサーチ&イノベーションセンターは、肌の上で化粧品がフィルムを形成する機構を根本から見直し、カプセルの殻を構成する分子を従来の強い共有結合ではなく、"動的イオン結合"と呼ばれる弱い相互作用で作製することで、全く新しいカプセル化技術"PGP"の開発に世界で初めて成功しました。従来技術ではカプセルの殻が硬いため、カプセル同士が融合・フィルム化できませんでしたが、この"動的イオン結合"を用いると、カプセルの殻の構成分子が外部環境や刺激に応答して、瞬時にプラスとマイナス電荷間で解離・結合を繰り返すことが可能となります。このため新カプセル化技術"PGP"では、カプセルが肌の凸凹に追随して形を変えながら、油をちりばめた柔らかなベールのような、呼吸のできる均一なフィルムを形成することができます。
PGPはロレアルが掲げている社会の持続的発展SBWA(SHARING BEAUTY WITH All)というコンセプトに基づき、環境および人への安全性に配慮した天然由来成分の、ポリアニオン(カルボキシメチルセルロース)、ポリカチオン(ポリリジン)、イオン性架橋剤(Mexoryl SX)から構成されている新しいポリイオンコンプレックス粒子で、水中に安定に分散しています(図1(a))。このPGPの水分散液に油を混合すると、油滴の周りにPGPが集まり、油を取り囲みながら油滴表面でPGP同士が自発的に交じり合い、皮膜を油の周りに形成しながらカプセル化します(図1(b))。このPGPカプセルを皮膚に塗布すると、乾燥と同時に油滴を取り込んだままカプセル同士が融合し、油滴を均一に閉じ込めたフィルムを形成します(図1(c))。

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図1 PGPカプセル技術の説明

●PGPを用いたサンケア製品の特徴

本PGP技術で作製したサンケア製品は、フィルムの中に紫外線吸収剤が閉じ込められ外部から保護された状態になっているため、水や汗に強いことはもちろん、手などで擦っても取れることがありません(図2)。このため、通常の乳化剤で油を乳化した製品と比較すると、紫外線防御能が長持ちします。
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図2 PGPフィルムの特徴

また、PGPフィルムは肌に密着しているため擦っても取れることはありませんが、pH応答性があるため弱アルカリ性であるせっけん等で簡単に肌から洗い流すことができます。さらに、PGPフィルムは密着性の高い膜をつくることで、肌への悪影響があるPM2.5などの大気汚染物質の付着を抑制する効果も持っています。

本技術は、乳化・カプセル化・フィルム化といった化粧品に共通する基盤技術であるため、今後様々な製品に展開していく予定です。

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