ロレアルR&Iの
イノベーションモデル

ロレアルは常に研究開発の推進に力を注いできました。
なぜなら、「美(ビューティー)」の領域においても、イノベーションには科学が不可欠であるからです。
私たちは、独自のリサーチ&イノベーションモデルで、世界中の限りなく多様な
「美に対する要望(ビューティーニーズ)」に応えています。

ロレアルのイノベーションモデル

ロレアルは常に研究開発の推進に力を注いできました。なぜなら、「美(ビューティー)」の領域においても、イノベーションには科学が不可欠であるからです。私たちは、独自のリサーチ&イノベーションモデルで、世界中の限りなく多様な「美に対する要望(ビューティーニーズ)」に応えています。

ロレアルのイノベーションの主要な推進力は「有効成分」、「処方」、「製品評価」における研究開発です。ロレアルの成長はこの研究開発の上に成り立っているのです。

科学 − 化粧品開発におけるイノベーションの推進力

ロレアルは1世紀以上にわたり、科学が化粧品開発の基礎であるという信念に基づいて研究開発を進めてきました。堅固な研究だけが、偽りのない結果を伴う化粧品を生み出すことができます。化粧品業界においても特異なロレアルのリサーチ&イノベーションモデルは、3つの主要な部門を中心に構成されています。

基礎研究部門では、世界中で皮膚や毛髪に関する調査・研究を行い、継続的に科学的知識の集積を充実させています。また新しい有効成分の発見、開発にも力をいれています。

応用研究部門は、それぞれの有効成分が化粧品という形(製品処方)の中で目的とする効果を最適な形で発揮できるように、製品化に向けて組成や反応工程などについて研究しています。

製品開発部門は、世界中の人々のニーズに適した革新的な処方を各ブランドにそれぞれのスタイルに合わせて、提供します。

イノベーションを支える資産

進歩を先取りし、だれもが革新的な化粧品を享受できるようにするため、ロレアルは3つの資産を大事にしています。

第一に、独自の有効成分や原料などの集積。これは、基礎研究部門によって年々新しい分子や原材料が加えられ充実度が増しています。第二に、分子から製品へと展開していく非常に重要な処方。毎年数千の処方がロレアルの様々な研究室で生み出されています。そして、最後に、製品評価に関する専門知識です。新製品を市場に投入する際には、製品の安全性と有効性を科学的かつ厳密な方法で担保することが不可欠だからです。

消費者の声を聞く研究

ロレアルでは、リサーチ&イノベーションとマーケティングの間の絶え間ない対話によってイノベーションが促進されてきました。私たちのイノベーションは、世界中の皮膚と毛髪に関するより正確な科学的知識の集積ばかりではなく、世界各地の消費者の声に注意深く耳を傾け、消費者の行動を観察することにも基づいています。インスピレーションの真の源である、美の様式の多様性。ロレアルは消費者の声に耳を傾けることによって未知の分野を切り開いていきます。

グローバルな使命

ロレアルはヨーロッパ、アメリカ、日本、中国、ブラジル、インド、南アフリカの6つの地域に置かれたイノベーションセンターによって、世界市場での活動を強化し、世界の各地域に適した製品の開発を行いつつ、それぞれの地域の豊富な科学的知識を積極的に取り入れています。各イノベーションセンターは、その地域の専門家やスタートアップ企業と戦略的パートナーシップを結び、新たな領域を開拓しています。

責任あるイノベーションの柱

ロレアルは消費者に対する信頼性の保証、人間と環境の多様性の尊重、倫理的な責任などに基づいた価値観に基づきイノベーションを生み出しています。この価値観は世界中のすべての社員が共有しています。

私たちは、持続可能な責任あるイノベーションに日々取り組んでいます。消費者の声に耳を傾け、多様性を尊重し、倫理に則した「美」を追求しています。私たちの研究活動は、主に5つの分野 -- ヒトの健康(お客様、美容従事者、社員)、環境保護、倫理、公正取引および社会への配慮、イノベーションが与える社会的影響を常に重視しています。

絶対的な優先事項:製品の安全性

1909年、ウージェンヌ・シュエレールがロレアルの前身「無害染毛会社」を設立した時、まさに彼はパイオニアでした。以来、ロレアルは継続して、製品と原料の安全性の評価に力を注いできました。絶え間ない科学的な取り組みは、毒性学*における知識の進歩に貢献してきました。今日ロレアルでは、リサーチ&イノベーションセンター内で開発された予測評価方法を用いて、原料や製品の有効性や安全性に関して、動物実験を行うことなく非常に早い段階で高い信頼性を以って予測できるようになっています。グループではこの予測評価を研究開発するための、最新式のグローバルセンターを2011年に設立しました。

*生物に対する物質の悪影響の研究

環境への配慮

「美(ビューティー)」に携わることは、私たちの惑星である地球の美しさを保つことでもあります。環境に関して、ロレアルは常に法規制より一歩先を歩んできました。ロレアルは1995年には既に、生態系(水、土壌、大気)および生物多様性に対する製品の潜在的な影響を測定、シミュレーションモデル化するための生態毒性学研究室を設置しました。 1999年には、原料の合成に関して、グリーンケミストリーを採用しました。 2006年以来、ロレアルの原材料はすべて、常に環境指標に基づいた見直しの対象となっています。ロレアルのイノベーションプロセスは、製品のライフサイクル全体を通じてその製品が環境に与える影響を減らす、エコデザインのガイドラインに準拠しています。これらの考えは、取引先の企業やビジネスパートナーと共有されています。

サイエンスと倫理はともに進歩する

ロレアルの研究員たちは、科学的進歩(組織工学、ヒトゲノムの解析、シミュレーションモデル、画像技術)を、責任あるイノベーションに用いてきました。新世代の予測評価法を用いることで、動物実験を行うことなく、成分の安全性を評価することが可能になり(ロレアルは1989年に動物による完成品の試験を中止しました)、近い将来、生検(人体組織の採取)に頼ることなく臨床効果を評価することができるでしょう

フェアトレード調達への取り組み

2010年に設立された世界的なフェアトレード調達プログラムであるSolidarity Sourcingを通じて、ロレアルは原料のグローバル調達プロセスを実施してきました。サプライヤーを選択する際には、公正な価格設定に加えて、生物多様性の保護、バイオパイラシー(生物資源の略奪行為)への対応、そして地域の人々および地域社会の自立に対する配慮などの側面も考慮しています。

グローバルの多様性に適応したイノベーション

ロレアルのイノベーションプロセスの着想は、「美」の多様性を尊重することから生まれます。 10年以上にわたり、人それぞれのニーズ、習慣、環境、購買力に応じて、すべての人に適した製品を生み出すという野心をもって、各地の人々の声に耳を傾け、また、世界中の美に関する様式を観察することを私たちの使命と活動の中心的な部分として行ってきました。

世界に開かれたネットワーク

世界中の化粧品市場に対応して、ロレアルは真に国際的なネットワークを発展させることによって、リサーチ&イノベーションのオープンで、協働できる環境づくりをしてきました。

世界中のお客様を理解するために、ロレアルの研究開発部門であるリサーチ&イノベーションセンターは7地域に19の研究拠点を置いています。フランスには、基礎研究所と3つの化粧品カテゴリー(ヘア、スキンケア、メイクアップ)を統括し、イノベーション戦略を策定するグローバルセンターがあります。このグローバルセンターは、米国、日本、中国、インド、ブラジル、南アフリカの6つの地域のセンターのネットワークハブとして機能しています。一方、各地域のセンターの使命は、グローバル戦略をその地域の市場に適応させることです。そして、グローバルなイノベーションに寄与する新製品を開発することも担っています。また、16か所の評価センターでは各国の消費者調査を行い、約50カ国にある薬事・規制部が、各国の規制に基づいた製品販売のサポートを行っています。

「美」の多様性がサイエンスに影響を与えるとき

美しさに対する要望と美しくなるための装いやお手入れは世界各地で大きく異なっており、その多様性は無限と言っていいほどです。この多様性はロレアル リサーチ&イノベーションに刺激を与え、新規技術開発の源となっています。

ロレアルは世界の主要な地域に研究開発部門(リサーチ&イノベーションセンター)と評価センターを配置し、その地域のさまざまな人々を知り、その要望を開発に取り入れるという戦略を構築しました。世界中で異なった遺伝的背景や文化を持ち、さまざまな自然環境・社会環境の中で生活している人々が日々行っている装いやお手入れの方法は無限とも言うべき広がりを持っています。そのことはロレアルにとって大きな挑戦であるとともに、貴重な資源でもあります。
ロレアル リサーチ&イノベーションは世界中の皮膚や毛髪について、その形態学的、生理学的特徴に関する知見を継続的に集積するだけではなく、さまざまな人々の要望を調査し、かつ化粧行動を観察することにも力を注いでいます。2003年には世界中の皮膚や毛髪の多様性に関する研究(タイポロジー研究)に特化した研究センターをシカゴ(アメリカ、イリノイ州)に設立しました。
この戦略によって多様な「美」、それに関する装いや習慣をよりよく理解し、イノベーションに応用することができます。最終的には異なる文化を反映した美容習慣と皮膚、毛髪、まつ毛、爪などの生理機能を結びつけることができるかもしれません。

世界中の肌と毛髪のエキスパート

世界中の多種多様な皮膚や毛髪を研究するために、ロレアルは、多くの研究に投資し、数十年にわたって独自の分析ツールを開発してきました。

遺伝的背景、年齢、食習慣、地理的および文化的環境−肌や毛髪の特性にはさまざまな要因が影響します。 アジア、ヨーロッパ、アフリカでは、毛髪の密度、生育速度、カールの度合いや毛髪の直径が異なります。これらの多様性を理解することが、私たちの大きな課題となっています。より効果的に測定するために、私たちは、数多くの研究を行い、正確で客観的な測定ツールの開発をしてきました。

皮膚の色に関する新しいアプローチ

さまざまな皮膚について詳しく知り、その機能の生物学的メカニズムをより深く理解することで、加齢や日焼けによるダメージに対応するだけでなく、人々個々のニーズに合った化粧品を提供することもできます。
ロレアル リサーチ&イノベーションの研究の一つに実際の皮膚の色と、認識される皮膚の色に焦点を当てて行われたものがあります。世界各地の女性をインタビューして自身の皮膚の色を66色調のカラーチャートで確認してもらう一方で、ロレアル リサーチ&イノベーションが開発して特許を取得した測定装置「クロマスフィアR」で皮膚の色を計測しました。この2つの方法を用いて皮膚の色に基づいた世界地図を作成しました。この地図を用いてロレアルの化粧品をさまざまなニーズへ対応させることが容易になります。例えば、ファンデーションの色味の選定や、肌の色ムラなどを整えるスキンケア製品の評価に役立てることができます。

毛髪の多様性への精密なアプローチ

ロレアル リサーチ&イノベーションは、世界中の多様な毛髪の特徴を研究するため、古典的な3タイプ(アフリカ、アジア、ヨーロッパ)とは異なった、独自のツールを開発しました。
一つの例は物理的測定を用いて、カールの直径、カール指数、うねりの数と巻きの数を基本に分類を行う方法です。このツールを用いて23カ国で7,500人以上を対象に調査を行った結果、遺伝的背景に係わらず、世界の毛髪タイプを直毛(1)から最もカールがきつい(8)段階まで8つのグループに分類できました。この研究は学術誌に掲載され1)、複数の民族起源を持つ家系と人口移動の影響が考慮されています。ブラジルのような非常に多民族の人口を抱える国では、6種類以上の異なるヘアカールタイプが存在します。
もう1つの例は、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes、フランス)と共同で開発された3D画像ツールで、生物学的メカニズムを理解し、毛根と毛髪形状の関係性を明らかにするために、髪のさまざまな部分を完全に可視化することができます。このツールを使って例えば、巻き毛の毛根はゴルフクラブのような形をしていることがわかりました。
1) Loussouarn, G., et al. Int. J. Dermatol., 46 (suppl. 1), 2-16, (2007), "Worldwide diversity of hair curliness: A new method of assessment"

エイジング アトラスからモーフィングへ

ロレアル リサーチ&イノベーションでは、かなり前から皮膚の加齢徴候に注目し、皮膚のさまざまな加齢徴候を段階ごとに示した図版(エイジング アトラス)作成に着手しました。
このアトラスを制作するにあたって、世界の各地で18歳から70歳までの男女ボランティアが画像撮影のために参加しています。
第1巻ではヨーロッパ人の加齢徴候を、それに続いて、第2巻はアジア人、第3巻はアフリカを起源とする人を対象としたアトラスを作成しました。これらの図解アトラスから得られた知見は、皮膚の加齢徴候の変化を時系列的に示すモーフィング・フィルムの基礎となりました。

世界中の美容習慣

世界各国の人々の美容習慣はどのようなものか?ロレアルは将来の革新的な製品を生み出すため、私たちがジオコスメティックスと呼んでいる活動を通してあらゆる国の美容習慣を調査し、分析を行っています。

中国の女性は毎日肌の手入れにどれだけの時間をかけているのか、バンコクの人々の洗髪の仕方は、日本人やフランス人女性はマスカラを塗り終わるまでに何回ブラシストロークを行うのか、・・・日々繰り返されるこれらの手入れや美容習慣は、それぞれの地域の文化に深く根差しています。それらは伝統を受け継ぎ、気候や地域の生活環境に影響を受けながら、それぞれの国や各大陸で異なっている理想の姿を目指して行われています。これらの美容習慣は、生理学的な現実によって裏打ちされています。例えば、細く真っすぐで短いまつ毛と太くカールして長いまつ毛では、求められるマスカラの性質や使用法が異なってきます。

バスルーム ラボ

ロレアルでは質問票やインタビューによる調査だけではなく、実際の美容に関する手技を観察する方法も用いています。世界中の主要な評価センターではカメラを装備した「バスルーム ラボ」を設置し、同意を得たうえでボランティアの化粧行動を観察させていただいています。また補完的にホームビジットと呼ばれる方法で、ボランティアの自宅を訪問し、日常の美容行動を実際に調査しています。

現実に即したイノベーション

このような体系的な観察によって、美容習慣や衛生上に関する情報だけでなく、製品を使用する状況や地域の特性(湿度、暑さ、寒さなど)についても詳細な情報を得ることができます。社会学者や民族学者によって分析されたこれらのデータは、私たちの創造性を掻き立て地域のニーズに適した製品を生み出してきました。例えば、日本人女性はまつ毛が短くて下向きに生えているため、長く、カールしたフィニッシュを得るためにストロークを何回も(最大100回程度)行うので、日本市場向けには軽い質感のマスカラを開発した場合に、それが湿度の高い環境でもカールをキープできることが必要です。

        
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